テイスティングを考える フレーバーホイール
上の図は以下から拝借 whiskymag.com
概要
今日の内容は、以下2点
- フレーバーホイールという指標が、テイスティングを安定させるのに使えそうという話
- 自分にとってのテイスティングノートに対する分析
- あくまで私の自己分析ではあるが、皆通ってきた道か、同様の感覚を持っているのではないか?
テイスティングノートを書く理由
なぜテイスティングノートを書くようになったのかを考えてみた
まぁ一言で表すなら以下に尽きる
「味覚の写真が無い!!」
もう少しまとめると以下の感じか
- 直接的理由
- 記録手段が存在しない
- 視覚は写真, 聴覚は録音で脳みその外に記録できる、しかし嗅覚, 味覚は残念ながら手段が無い、
仕方なく言葉を使って視覚情報に変換して記録している - 味を記録できる装置をスマホに付けてくれれば、こんなめんどくさいことしなくて良いのだ!!
- そんな未来は来るのだろうか?
- 視覚は写真, 聴覚は録音で脳みその外に記録できる、しかし嗅覚, 味覚は残念ながら手段が無い、
- 記録手段が存在しない
- 根本理由 (そもそもなぜ記録を残したいのか)
テイスティングノートの難点
しかし、テイスティングノートを書いてもなお、上記で書いた目的が果たせるかというと難しい
書く時に困る事
- 表現が浮かばない
- 記憶から似た味の別の食品を探索してるそばから、今生じた感覚が消えていく
- 表現がブレる
読む時に困る事
特に他人のテイスティングノートを読むと以下で躓く
自分のノートも読み返すと、表現から思い浮かべる味がぶれていたりすることもある
- 表現の対象を知らない問題
- トフィーってなんだ!
- ヘザーってなんだ!
- スコッチバターってなんだ!
- 対象の味の幅がでかすぎる問題 ~同じ表現でも指しているモノが違う問題~
- 文学的過ぎてわからない
- せめて飲食物で表現してくれ...
- 「田舎の漁港のデッキロープ」
- 「濡れた子犬のような]
- 「海辺のキャンプファイヤー」
- せめて飲食物で表現してくれ...
その他困ること
- 実際に本物を食べると、全然違う!! ってなる
- 全然違うのに、なぜかその表現を使うようになっている不思議
- 上位互換が現れると、過去の表現は何だったんだってなる
- スコッチで、「バニラ」「カスタード」とか表現した後、
バーボンとか飲むと「これがバニラだったわ!」ってなる
- スコッチで、「バニラ」「カスタード」とか表現した後、
フレーバーホイール
上記画像は下のウイスキーマガジンの特集の画像を拝借したもの フレーバー・ホイール | WHISKY Magazine Japan
少しでも表現の共有を図る良さげな指標としてフレーバーホイールというものがある、 フレーバーホイールの細かい話は私が参考にしたリンクを記事の末尾に貼っておくから興味ある人は読んでほしいが、キッコーマンのサイトが簡素にまとめていたので引用すると以下だ
「フレーバーホイール」とは、ある食品から感じられる香りや味の特徴を、 類似性や専門性を考慮して円状かつ層状に並べたもので、 その食品に関わる人や愛好者が香りや味について共通認識を持ち、 コミュニケーションを行うためのツールとして用いられます。 世界中で広く親しまれているビールやウィスキー、ワインなどでは、 生産・流通・販売に関わる人や消費者が共通の言語で品質を評価したり、 料理との相性を語るために、「フレーバーホイール」が積極的に使われています。
キッコーマン、しょうゆの香りや味の特徴を「フレーバーホイール」として体系化! | キッコーマン
ウイスキーのフレーバーホイールも様々な人が作っていて、色々あるらしいが ウイスキーマガジンから引用して貼ったこのフレーバーホイールは、以下3つを行い一般的に使いやすいものにしたそうだ
- 専門的な表現を簡素化
- 口内感覚を別ホイールに
- あまり使われない表現を排除
試行錯誤
フレーバーホイール をどう使う?
このフレーバーホイールをテイスティングノートを書く時に生かせないかと考えた
ウイスキーを飲んだ時に、ゼロから味を考えるのは大変なので、
このホイールを見ながら、近いものを探すという手法を取るのが良さそうだ、
これにより、書く時に困ること
で書いた以下問題が解決ができるのではないかと思う
- 表現が浮かばない問題
- まずはホイールから選べば 解決!
- 表現がブレる問題
- ホイールに書かれている表現に対して、どの味というマッピングを作り暗記に持ち込めば解決!
ちょっと安易かもしれないが、何をするにもフレームワーク化、ルーチン化することは大事だ
フレーバーホイールをフレーバーマップへ
今後はテイスティングノートを書く時に、フレーバーホイールからまず表現を取ってこようと考えたが
このホイールの状態だと以下の理由で見づらいと感じたので、マインドマップで作り直した
今後これをフレーバーマップと呼ぶ
- 字が斜めだと直感的にわからない
- アルファベット表記だと直感的にわからない
- ホイールである意味が無い
- 色相環ホイールと違って、対角にも隣接する項目にも意味が無い、
意味の無い情報は消したほうが理解しやすくなる- (私が知らないだけで、本当は意味が有るのかもしれないが、
他のフレーバーホイールだと要素の順番変わってたりするので、多分意味ないと判断した)
- (私が知らないだけで、本当は意味が有るのかもしれないが、
- 色相環ホイールと違って、対角にも隣接する項目にも意味が無い、
レーダーチャート
この、フレーバーホイールの項目で以下の図の様なレーダーチャート作ろうかと思ったが
却下した
以下の理由から却下
- 小項目(第2, 第3階層)の要素を捨てきれないこと
- 数字に意味が無いこと
- 本来数値化できるなら好ましいが、数値化できるってことは味覚の写真が取れるってことだ
それができないから、ノート書いているのに官能値を入れる事は無駄と判断した - そもそも官能値はぶれまくるので、ただでさえ複雑なのにより複雑さを加え兼ねないと思った
- 本来数値化できるなら好ましいが、数値化できるってことは味覚の写真が取れるってことだ
- 情緒がない
- テイスティングノートは主に以下2タイプがあるように思う
- 化学的な成分分析主体
- 文学的な情景描写主体
- レーダーチャートだとこの
成分分析主体
になってしまう - 正直なんでかはわからないが、謎の情景描写のほうが脳が味を理解することが結構ある...
テイスティングノートの難点
「読む時に困ること」で、文学的過ぎてわからないという問題点を取り上げておきながら
矛盾するが、この要素を捨てきる事はできなかった
- テイスティングノートは主に以下2タイプがあるように思う
拭えぬ闇
テイスティングノートの難点
「読む時に困る事」は解決できない、
フレーバーホイールの表現に対して自分の確固たる味をマッピングしておけば、
少なくとも自分の過去に書いたノートは解読が可能になるかもしれない
しかし他人の書いたものは、書いた相手をある程度理解していないと解読が難しいだろう
日本人の飲む紅茶と、イギリス人の飲む紅茶は違う
しかし、自分の書いたノートが安定していれば、同じ銘柄に対して相手のノートと表現を比較し表現の差を吸収する事は可能かもしれない
例えば
- モルトウィスキー・コンパニオンで有名な踊らないマイケル・ジャクソンの「ハニー」は、私の「アカシアのはちみつ」
- シングルモルトウィスキー大全 で有名な土屋守の「オレンジは」、私の「ポンジュース」
みたいな感じで...
まとめ
ウイスキーのテイスティングノートを取る作業は、極めて複雑で色んな思考を巡らせなければならない
かといって、答えという答えも存在しないが、ずっと答えを探し続けているそんな感覚だ
その複雑さがウイスキーを飲むということに魅力を感じる理由の一つなのかもしれない
とりあへずしばらく以下の事に取り組もうと思う
- フレーバーマップ内表現の精査
- フレーバーマップ内の表現と、自分の中で知っている味とのマッピング作業
- この表現は、この味!! というのをより具体的に自分の中で決める
- フレーバーマップの枝を増やす
- 例えば、チョコだったら、ダークチョコ, ホワイトチョコ, ルビーチョコ とかもう1段深堀りしたい
- 味覚感覚と、自分の好みを表す指標も固めたい
答えを教えてくれる人も少ないし、地道にやるしか無いんかな...
ところで、ここまで書いてふと思うことがある
「一体私は何を目指しているんだろうか...」
と
おわりに
「テイスティングノート」って単語長いし、日本人の自分には馴染まないので、
漢字2〜3文字の日本語表現無いかな... 思いついた人はコメントください
参考サイト
- 稲富博士のスコッチノート 第38章 スコッチ・ウイスキーの香味表現 その1.用語とフレーバー・ホイールの開発 [Ballantine's]
- 稲富博士のスコッチノート 第39章 スコッチ・ウイスキーの香味表現 その2.消費者によるテースティング [Ballantine's]
- whiskymag.jp
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