フレーバーホイールを考える2
概要
- 今回は、フレーバーホイール(マップ)に登場する8つの代表フレーバーが、製造工程の何処で発生するのか、を調べてみた
- 私は専門家ではないので、間違っていても責任は取らない
- (誤りを見つけたらこっそり教えて下さい)
前回の記事はこちら
ウイスキーができるまで
- ざっと製造工程を図にしてみた
工程とフレーバーのマッピング
- 要するに結論
お気持ち
- 硫黄 (サルファリィ)が曲者で、各工程で発生したり消えたりしている
- 人によっては嫌われる傾向にあるが、こいつが意外と風味を活かしたり殺したり変化させたり働いてると思う
- 硫黄は経年で消えていくフレーバーのようなので、「🙈が出てダメだった]なんてボトルは10年後ぐらいに飲んでみたらきっと化けてると思う🦧
- 私的には良い意味で「硫黄っぽい香りしますね」って発言して嫌な顔されたことがあるので、硫黄を感じても発言は控えよう!!
- ウイスキーの味は樽が全てという樽強硬論をたまに耳にするが、その樽でどう変化できるかは酵母や原料に結構左右されてるんじゃ無いかなと思う
- 人の人生も人生70年からすれば、社会人になってからがほぼ全てだが、学生までの20年によって後半の50年はかなりハンドリングされるよねというイメージ
- 蒸留相 (フェインティ) と表現される、はちみつ, 皮革, タバコ, 汗, プラスチック このあたりの香りになる原因みたいなものは、しっくり来る説明がなかなか見つからなかった...
- クライヌリッシュ等は蒸留器のネックを洗わない事で、独特のオイリーさやワクシーさを出すらしいという話を聞いた事があったので、当然 蒸留相 (フェインティ) 扱いになるのかと思っていたが、フレーバーホイールだとワイン相(ワイニー) にいるんだよなぁ
ノート
収獲/製麦/糖化
発生するフレーバー
穀物相 (シリアル)
- こいつは単純に原料由来のフレーバー
- 日々品種改良により置き換わる
- 近代の物は一つの穂から収獲できる実の量がふえているが、味は軽くなる傾向のようだ
- 当然ながら収獲効率を考えると、生産者からすれば近代種が好まれる
- オールドボトルのマッカランがもてはやされる理由の一つだったりする
- 「ゴールデンプロミス以外はマッカランじゃない!!」などと言われるアレ
- 麦の品種の移り変わりはま、暇な時にまたまとめてみたい
泥炭相 (ピーティー)
- 麦芽を乾かす際に、使われる燃料由来のフレーバー
- 泥炭自体の構成物質も、産出される場所によって結構違う
- アイラ島等は、貝殻や海藻
- 内陸部は、灌木や草木
- フェノール値(ppm)として表されたりする
- 同じフェノール値でも、フロアモルティングするか製麦工場で作るかで結構風味が変わるとのこと
発酵
発生するフレーバー
- 硫黄相 (サルファリィ)
- 果実相 (フルーティー)
- 草花相 (フローラル)
硫黄相 (サルファリィ)
果実相 (フルーティー)
草花相 (フローラル)
補足
つまり、使ってる麦も相当影響与えるなぁ...
蒸留
発生するフレーバー
- 蒸留相 (フェインティ)
減衰するフレーバー
- [-]硫黄相 (サルファリィ)
蒸留相 (フェインティ)
- 名前から、蒸留由来の香りを表しているんだろうが、どういう理屈で発生するのかよくわからなかった (誰か教えて)
[-]硫黄相 (サルファリィ)
- 硫黄化合物は蒸留時に、銅と触れると現象する
- 蒸留速度を遅くする -> 銅と多く触れる -> 硫黄化合物が多く取り除かれる
- 蒸留速度を遅くする -> 銅と触れる機械が減る -> 硫黄化合物が多く残る
- ポットスチルが大きい -> 銅と多く触れる-> 硫黄化合物が多く取り除かれる
- ポットスチルが小さい -> 銅と触れる機械が減る ->硫黄化合物が多く残る
熟成
発生するフレーバー
- 木香相 (ウッディー)
- ワイン相 (ワイニー)
- 硫黄相 (サルファリィ)
- 草花相 (フローラル)
減衰するフレーバー
- [-]硫黄相 (サルファリィ)
- [-]草花相 (フローラル)
木香相 (ウッディー)/ワイン相 (ワイニー)
- ようするに樽のフレーバー
硫黄相 (サルファリィ)
- リチャー(硫黄で殺菌)時に樽に残る香り
[-]硫黄相 (サルファリィ)
- 酸化により経年で減っていく
- 蒸発により減っていく
- 樽に施したチャーの炭素層との反応で吸収される
- 硫黄が減ると、果実相 (フルーティー)を感じ取りやすくなるとのこと
草花相 (フローラル)
- オークを焼くことで発生するグリニンがアルデヒドに変化
- 熟成期間が短いと出やすいとか
[-]草花相 (フローラル)
- 熟成によるアルデヒドは酸化し減退してゆく